2022年08月15日

県域水道一体化に向けて

 以前ご紹介した「奈良モデル」(県と市町村が連携・補完しながら行政事務を進めていく新しい地方自治のシステム)で、今最も注目されているのが、県域水道の一体化です。私も検討部会の一員として、前向きに議論に参加しています。
 水道事業の県一体化のきっかけとなったのは、自治体がそれぞれ単独で事業を進めていては、近い将来経営が行き詰まり、水道事業が継続できないのではないかという危機感です。古い水道管を新しく布設替えし、漏水を防ぎながら市民のみなさんに安全に上水を届けるためには、老朽化した施設を一定のペースで更新していく必要があります。その指標となるのが「管路更新率」ですが、奈良県の各自治体においては、残念ながらこの更新率が全国平均に比べて非常に低いのが現状です。このままでは、漏水による水道料金の上昇問題だけでなく、例えば南海トラフ等の大地震が起きたときには、県内各所で水道管が破裂し、市民生活に大きな影響を及ぼすことが危惧されます。東日本大震災の時には、日常生活はもちろんのこと、火災発生時に消火用の水が確保できず、多くの自治体が甚大な被害を受けたという話を現地の水道担当者からうかがいました。このような事態を回避するためにも管路の更新は着実に進めていかなければなりません。
 また、一体化により経営を合理化することで、単独経営よりも水道料金を低く抑えられるというメリットがあります。これには市町村間で抑制金額に較差がありますが、管路更新率を少なくとも全国レベルにまで引き上げ、持続可能な水道インフラを維持することで全ての自治体に恩恵があると確信しています。また、一体化を進めることで国や県から多額の交付金が投入されることも大きなメリットです。市民のみなさんや議会にご理解いただくには、このまま単独経営を進めた場合と、一体化して進めた場合を比較してお示しすることが大切になります。いずれにしても、水道事業は市民生活に大きく関わる非常に重要な問題です。本市の議会では特別委員会も設置されました。慎重にかつスピード感をもって議論を進めたいと思います。

posted by 東川 裕 at 15:59| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年08月10日

コロナ第7波とウィズコロナの対応

 新型コロナウイルス第7波が今までにないスピードで急激に広がっており、身近なところでも感染者や濃厚接触者が増えていると実感しています。いつまで感染者の数を意識するのかと思いつつも、発表される感染者数の報告をチェックする日々が続いています。ただ、社会の反応も、少しずつ変化してやや落ち着き、今までのように過剰に敏感になるのではなく、一歩進んだウィズコロナの段階を迎えているようにも感じます。決して油断するのではなく、今まで以上に感染予防の意識を強く持ちつつ、正しくウィズコロナに対応していかなければなりません。市政を預かる立場で感染予防を考える時、まず大切なのは、市民に寄り添うことと同時に、できるだけ市民サービスに悪影響が出ないように心がけることであり、そのような意識を常に持ちながらこの第7波を乗り切りたいと思います。
また、感染者が増えるなか、今後予定しているさまざまなイベントや行事への対応をどうするのか慎重に検討しなければなりません。もちろん、状況を的確に判断し、感染拡大を防ぐことを第一に考えなければならないのは言うまでもありません。ただ、ウィズコロナの段階に入れば、安直に中止の判断を下すだけではなく、感染予防に取り組みながら、工夫して何とか実施できる方策を探る段階に移行してくると考えます。それぞれの事業主旨を大切に、まずは実施する方向で考え、工夫をした上で判断したいと思います。一方で、別の観点から、毎年ルーティーンのように続けていた慣習的な作業や、今の時代に適さなくなっている行事については、さまざまな価値や社会的ルールが大きく転換するこの機に、思い切って見直すことも必要だと感じています。

posted by 東川 裕 at 14:50| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする