令和6年度の御所市役所のテーマを「勝負の10年の第一歩」としました。このフレーズは令和6年度予算編成方針や施政方針でも申し上げ、3月議会においても何度も話題に上りました。
市がこれまで借り入れた大型起債(借金)の償還は今後10年で終了しますが、時を同じくして、現在進めている将来につながる多くの事業が今後10年で具現化することになります。
16年前、私が市長に就任したとき、本市は極端な財政難から「事業をしない」という選択を余儀なくされ、ひたすら財政再建に取り組みました。過去において市民のみなさんや市職員たちが財政再建のため多大な抑制を強いられた苦難の轍を再び踏むことのないよう、次なる10年、20年をしっかりと見据え、持続可能な都市としての基盤を確実なものにしていくのが、これからの「勝負の10年」です。同時に、過去10年とは全く違う価値観で進まなければならない「変革の10年」でもあります。社会情勢は目まぐるしく変化し、ICT等の技術革新が想像を超えるスピードで進化発展するなか、行政が担うべき役割や価値観も変化を余儀なくされています。今までと同じ事務の継承だけでは対応しきれないのはもちろん、組織の枠組みだけで行政課題の全てに立ち向かうには限界があります。大切なのは、職員一人ひとりが本市の課題を我が事として捉え、部局横断型のオール市役所で対応していく姿勢です。「勝負の10年」。そのスタートを切る令和6年度は、こうした意識を共有することから始まると考えています。