奈良県内で奈良市・生駒市を除く37市町村を構成団体として、奈良県広域消防組合が設立されて10年が経過しました。消防は、国民の生命、身体および財産を火災から保護するとともに、火災、風水害または地震等の災害を防除し、およびこれらの災害による被害の軽減を任務としています。しかし、人口減、頻発する自然災害、救急需要の増大等により、小さな消防本部ではこれらの需要に応えきれなくなったことから、より活動を効率化し、財政面でもメリットのある広域化が選択された訳です。この10年で火災・救急現場への到着時間の短縮化、財政の合理化等で大きな成果を挙げてきました。しかし、これらの消防・救急にかかる需要は想像を超える状況であり、当初に設定した将来にわたるグランドデザインを見直さなければならなくなっています。そもそも奈良県の地勢から、南部と北部の市町村では消防、救急のニーズが大きく相違することも大きな課題です。そのような状況の中、現在もさらに進んだグランドデザインについて議論がされています。
ゴミ処理や、し尿処理等については既に全国でも広域化が一定進んでいますが、消防、水道、国民健康保険等については奈良県が全国で最も広域化が進んでいます。これらの議論を進める時、最も大切なのは「持続可能なサービスの提供」であり、決してコスト意識だけを先行させてはいけないということ。そして広域に参加している自治体の全体最適を追求すること。自治体間だけの水平補完では賄いきれないヒズミについては、県や国からの垂直補完を求めること。それぞれの行政事務のあり方、組織体制を抜本的に見直すこと。だと感じています。今後もそれらをしっかり意識し広域化の議論を進めていかなければなりません。