すでに報道等でご存知のことかと思いますが、9月末をもって市長の職を辞する決意をいたしました。
かねてより治療を続けてきた病気の様子が思わしくなく、次のリーダーに次年度予算を中心となって編成していただけるよう、このタイミングでの辞職になりました。5期目のスタートを切り、数々の懸案事業を確実に進めていくお約束をしたばかりなのに、多くの方々にご迷惑をおかけし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。市民の皆様をはじめ、関係するすべての方々に心からお詫び申し上げます。同時に、自分自身でも志半ばで職を辞することは本当に残念であり、まさに断腸の思いです。ただ、今までさまざまな議論を繰り返し進めてきた各事業の内容は、全て間違いのないものであり、誰が新しいリーダーになっても、大きな意味で同じ方向を向き、その上で新しい手法を加えながら展開されるものと自負しています。
私の人生において、全く行政経験のない中で16年余り市長の職を何とか全うできたのは、何物にも代えがたい経験でありました。16年余りの間、奇跡的な財政再建を成し遂げられたのも、数々の懸案事業を進められたのも、新しい御所市に向かって種を蒔くことができたのも、全てにおいて市民の皆様のご協力、市議会各位のご理解、市役所職員の頑張り、その他関係各位の暖かいご協力の賜物であり、改めて心から御礼申し上げます。
新しい御所市に向かっていくこのタイミングは非常に大切な時期であり、御所市にとって「勝負の10年」になります。ただ、御所市にはまだまだ活かしきれていない大きな潜在能力があります。新しいリーダーのもと、その潜在能力をさらに磨き上げ、新しい御所市として今以上に輝くまちに成長すると確信しています。御所市に対する今以上のご理解、ご協力をお願いいたします。
皆様のご健勝とさらなるご活躍、御所市のさらなる発展を心から祈念し、最後のブログといたします。
長い間本当にお世話になりました。ありがとうございました。
2024年09月09日
退任のごあいさつ
2024年07月30日
奈良県広域消防組合設立から10年
奈良県内で奈良市・生駒市を除く37市町村を構成団体として、奈良県広域消防組合が設立されて10年が経過しました。消防は、国民の生命、身体および財産を火災から保護するとともに、火災、風水害または地震等の災害を防除し、およびこれらの災害による被害の軽減を任務としています。しかし、人口減、頻発する自然災害、救急需要の増大等により、小さな消防本部ではこれらの需要に応えきれなくなったことから、より活動を効率化し、財政面でもメリットのある広域化が選択された訳です。この10年で火災・救急現場への到着時間の短縮化、財政の合理化等で大きな成果を挙げてきました。しかし、これらの消防・救急にかかる需要は想像を超える状況であり、当初に設定した将来にわたるグランドデザインを見直さなければならなくなっています。そもそも奈良県の地勢から、南部と北部の市町村では消防、救急のニーズが大きく相違することも大きな課題です。そのような状況の中、現在もさらに進んだグランドデザインについて議論がされています。
ゴミ処理や、し尿処理等については既に全国でも広域化が一定進んでいますが、消防、水道、国民健康保険等については奈良県が全国で最も広域化が進んでいます。これらの議論を進める時、最も大切なのは「持続可能なサービスの提供」であり、決してコスト意識だけを先行させてはいけないということ。そして広域に参加している自治体の全体最適を追求すること。自治体間だけの水平補完では賄いきれないヒズミについては、県や国からの垂直補完を求めること。それぞれの行政事務のあり方、組織体制を抜本的に見直すこと。だと感じています。今後もそれらをしっかり意識し広域化の議論を進めていかなければなりません。
2024年07月16日
ライバルとの変わらぬ絆
先日、御所実業高校でラグビー部・竹田監督の就任35周年を記念して、天理高校とのОB親睦試合が開催されました。両校は、奈良県のラグビー界を牽引してきたまさに永遠のライバル。花園を目指す奈良県高校ラグビー大会決勝では常に死闘を繰り広げ、私も毎年応援に参じていますが、おそらく全国で最もレベルの高い都道府県予選の決勝戦だと思います。過去にそんな死闘を繰り広げてきた、今は昔のおじさんたちが、この日はニコニコしながら、足をもつれさせながら、楕円形のボールをまるで子どものように追いかけています。見ているだけでついつい笑顔になってしまいます。過去に青春の全てを賭けて立ち向かったから、真剣に勝利を目指していたから、その想いをお互いに理解している仲間だから、今は心底ラグビー(というより鬼ごっこのようなボールを奪い合う陣取り合戦)を楽しんでいるように感じました。ラグビーに限らず、学生時代に真剣に取り組んできたものが最も花を咲かせるのは、同じように時間を費やしてきた仲間やライバルとの交流、強靭なネットワークなのかもしれません。来年は天理高校がホスト役を務めるとのこと。この交流がずっと続くように願っています。
7年後に迫った奈良県で開催される第85回国民スポーツ大会・第30回全国障害者スポーツ大会で本市はラグビー競技にエントリーしています。しかも今までにない、天理市との共同開催を2市揃って提案しています。国民スポーツ大会の存続そのものが議論される中、共同開催という手法を新しい形として提案できればと考えています。これも、何十年にわたって続いている強固なライバル関係がきっかけとなったことは間違いありません。
2024年07月01日
6月議会を終えて
6月議会が終了しました。今年度の4分の1が終了したことになります。さらに明確になったそれぞれ担当のミッションについて、スケジュール感を大切に進めるように指示しました。今議会では、補正予算等について特別委員会に付託され、より深い議論をしていただきました。特に「新しい学校づくり基本方針策定委託料」については、1小1中への再編という、本市の長い歴史の中でも今までにないダイナミックな計画であり、その中身についてさまざまなご意見を頂戴しました。今回の基本方針策定の大きな目標は @学校の場所 A学校の運営形態 Bスケジュール の3つの方向性を示すことです。今年度末には議会や市民のみなさんにお示しし、それに基づいて議論いただきたいと考えています。新しい学校をスタートさせるには、それまでに多くの、さまざまな課題をクリアしなければなりません。ただ単に学校をつくるという単純なものではなく、御所市全体のまちづくりに大きな影響を及ぼすものです。そんな中でも、何のために新しい学校を作るのかと問われれば、私は間違いなく「子どものため」と答えています。また、再編までの子どもたちが決して取り残されることのないよう、現段階から「ひとつの学校」につながるような質の高い教育を目指し、御所市の将来を担う、本市の宝である子どもたちにとってどのような学校が望ましいのか、どのようにすれば質の高い教育を提供できるのか、その視点を常に持ちながらこの大プロジェクトをオール御所市で進めていきたいと思います。
2024年06月13日
「量より質」「本物の政策」の想いを込めて
全国市長会の会議のため上京しました。全国の市区長が一堂に会し、さまざまな議論を交わし、総会ではその成果として決議が採択されます。今回は、@能登半島地震の復旧・復興Aデジタル社会の推進と新たな地方創生の実現B都市税財源の充実強化・地方分権改革の推進C国土強靭化、防災・減災対策等の充実強化D東日本大震災からの復興関連E参議院議員選挙制度改革の6つの決議が採択されました。さまざまな地域の首長とお会いすることはたくさんの情報を入手できるチャンスです。今まで以上に情報に敏感になり、本市の課題に適応できるものは積極的に取り入れていきたいと思います。今回、全国市長会の会長が広島市の松井市長に代わり、私も近畿地区を代表して副会長に任命されました。少子高齢化をはじめ全国の地方都市が抱えるさまざまな課題の先進地のような本市ですが、特に差し迫った人口問題、少子化問題、東京一極集中問題等に向き合う時、いたずらに自治体間の競争をあおるのではなく、国と地方の役割を明確にし、今こそ「量より質」「本物の政策」の想いを込めて、現場の現状をしっかりと国に訴えていきたいと思います。
2024年05月27日
大きな責任を確かな決断で
引き続き市長の重責を担わせていただくことになりました。結果として無投票での5選ということになり、やや複雑な思いもありますが、負託を受けた以上しっかりとこの大きな責任を全うさせていただきたいと思います。
今回の選挙においてキーワードとして訴えたのは、「勝負の10年のスタート」ということです。以前にも申し上げましたが、令和6年からの10年間で大きな起債(借金)の償還が終了し、一方で、将来につながる大きなプロジェクトが具現化するのがこれからの10年間であり、ここを上手く乗り切ることで御所市は持続可能な都市としての基盤が整うと確信しています。その中で6つの重点施策をお示ししました。@新しい学校づくり A新しい保育所づくり B庁舎複合施設を含む近鉄・JR御所駅前整備 C企業誘致 D観光戦略の確立 E攻めの農林業 の6つです。どれも非常に大きな課題ばかりです。同時にこれからの10年は現実問題としてさらに人口減が続き、ICT等の技術革新が目覚ましく進み、さまざまな社会環境や価値観が大きく変換するタイミングでもあります。予測困難な10年ではありますが、新しい御所市の未来に向けて、「大きな責任を確かな決断で」市政の舵取りを担わせていただくつもりです。今までの厳しい財政再建の道を歩んできた時のように、"オール御所市"で「勝負の10年」を市民のみなさまとともに前へ前へと進んで参りたいと思います。みなさまのさらなるご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
2024年05月01日
質の高い本物の政策を
人口戦略会議が改めて消滅可能性自治体を発表しました。全国で744自治体、そのうち奈良県が22。本市もその中のひとつに挙げられています。ただ、これは誰に向けてのメッセージなのか甚だ疑問に感じています。国なのか、地方なのか、国民なのか。人口問題は最重要の国家戦略であるはずです。国全体の人口減を真正面から受け止め、国策として戦略を練らなければならず、地方間での人口の奪い合いでは全く意味がありません。あえて誤解を恐れずに申し上げると、〇〇無償化、特別給付、定額減税等々の施策にどれだけの効果があるのでしょう。また、地方が人口増の達成に向け、骨身を削って「うちは他市町村よりお得」と言わんばかりの政策を講じることにどれだけの意味があるのでしょう。もちろん社会情勢の変化に合わせ、子どもを産みやすい、子育てを後押しする環境づくりに国も地方も真剣に取り組まなければなりません。また、手厚い子育て支援により人口増を果たした他市の政策を批判するつもりもありませんし、生ぬるい理想論を言って、本市の人口問題から逃避するつもりもありません。では本市としてやらなければならないのは何か。一時的、パフォーマンス的な政策ではなく、本市の子どもたちを「宝」として大切に思う心で「妊婦に寄り添う姿勢と子育ての質の向上」だと考えます。そして、その内容をしっかりと市内外に伝えることだと思います。これはほかの政策にも通じるものがあります。マスコミ等の発信に逐一反応するのではなく、質の高い本物の政策を愚直に貫くことだと思います。
2024年04月12日
データに基づいた政策立案を
毎年恒例の「統計からみた御所市のすがた」の令和6年度版が今年も職員研究グループが中心になって作成されました。非常に質の高い統計書に仕上がっており、県内でも注目を集めています。さまざまなデータが掲載され、本市が県内でどのような位置にあるのか、本市の強み・弱みがひと目で分かるようになっています。中にはショッキングな数字もありますが、データに基づいた政策立案をするうえで大変役立ちます。私も議会や委員会等に出席の際は必ず携行し、議論のエビデンスとして活用しています。例えば、本市の課題の一つでもある人口減の要因について、本市の場合は社会減(転入転出の差)はそこまで多くありませんが、自然減(出生死亡の差)は直近一年間で県内12市の中で2番目の減少率となっています。また婚姻率も県内12市で最も低く、少子化が本市の人口減の最大の課題であることが浮き彫りになっています。よく、本市には産婦人科や小児科が無いことが少子化の一因との指摘を受けます。さまざまな検討をしていますが、専門医の招致はなかなか難しいのが現状です。そこで、本年度から産婦人科や小児科のオンラインによる相談サービスをスタートさせました。スマホで専門医に相談できたり、ウェブでは24時間相談できるようになっています。是非ご活用ください。本市は妊娠期から伴走型で手厚く妊娠、子育てのフォローができるシステムを有しており、他市には引けを取らないと自負しています。今後もデータを参考にしながら子育て支援体制の充実に努めていきます。
2024年04月01日
「勝負の10年の第一歩」
令和6年度の御所市役所のテーマを「勝負の10年の第一歩」としました。このフレーズは令和6年度予算編成方針や施政方針でも申し上げ、3月議会においても何度も話題に上りました。
市がこれまで借り入れた大型起債(借金)の償還は今後10年で終了しますが、時を同じくして、現在進めている将来につながる多くの事業が今後10年で具現化することになります。
16年前、私が市長に就任したとき、本市は極端な財政難から「事業をしない」という選択を余儀なくされ、ひたすら財政再建に取り組みました。過去において市民のみなさんや市職員たちが財政再建のため多大な抑制を強いられた苦難の轍を再び踏むことのないよう、次なる10年、20年をしっかりと見据え、持続可能な都市としての基盤を確実なものにしていくのが、これからの「勝負の10年」です。同時に、過去10年とは全く違う価値観で進まなければならない「変革の10年」でもあります。社会情勢は目まぐるしく変化し、ICT等の技術革新が想像を超えるスピードで進化発展するなか、行政が担うべき役割や価値観も変化を余儀なくされています。今までと同じ事務の継承だけでは対応しきれないのはもちろん、組織の枠組みだけで行政課題の全てに立ち向かうには限界があります。大切なのは、職員一人ひとりが本市の課題を我が事として捉え、部局横断型のオール市役所で対応していく姿勢です。「勝負の10年」。そのスタートを切る令和6年度は、こうした意識を共有することから始まると考えています。
2024年03月14日
持続可能な水道インフラの維持のために
能登半島地震の復旧には予想以上に時間がかかりそうです。本市からは建物被害認定調査、避難所運営、応急給水活動に職員を派遣しています。また、市民の皆様からお寄せいただいた義援金は日本赤十字社を通じて被災地に届けられます。ご協力に感謝申し上げますとともに、今後もできる限り被災地に寄り添った支援を行いたいと考えています。
今回の震災では特に上水道の復旧に時間がかかっています。水道管の耐震化率が低く、破損による断水が予想以上に広がっているようです。国は2028年度に水道管の耐震適合率60%を目指していますが、2021年度末の全国平均では41.2%、奈良県平均は44.4%、御所市では50.4%に止まっています。
こうした状況の中、奈良県では2026年度から県内26市町村で水道一体化を目指しています。この取組の中ではどうしても水道料金の動向が注目されがちですが、第1目標は「持続可能な水道インフラの維持」です。国の補助金や県の財政支援を有効活用し、水道施設を26市町村の共有財産として広域で連携・協力しながら集約化し、管理を行っていくことで、施設の強靭化、財政基盤の強化、安全安心な水の持続的供給等、単独で経営するよりはるかに大きなメリットが見込まれます。また、水道料金についても、合理的な運営をすることで料金水準の上昇を抑制することが可能です。もちろん本市にとっても大きなメリットがあると確信しています。2026年度から確実に運営できるよう、今その準備が急ピッチで進められています。
2024年03月04日
3月議会
3月議会が始まりました。今議会では施政方針を発表し、新年度予算について審議していただきます。提案する令和6年度一般会計予算案は172億4000万円、前年度比7.2%減となっています。市長選挙を控えていますが、敢えて骨格予算の形を取らず、新年度に取り組む予算をしっかりと計上しました。
以前にも申し上げましたが、大きな起債の償還が完了し、将来の御所市につながるさまざまな事業が具現化するこれからの10年間を御所市の将来を占う「勝負の10年」とし、令和6年度は「活気に満ちあふれ、明るく温かい未来の御所市に向け、新たな息吹を吹き込む元年」と位置付けています。「勝負の10年」の最初の年として良いスタートダッシュが切れるよう、各担当部署で計上した予算について再度見直し、その趣旨や費用対効果、今後の展開等について自信を持って説明できるよう指示しました。
2024年02月21日
本来の政治を取り戻すために
「Honesty is always the best policy」
16年前、私が初めて市長に就任した時、学生時代の友人から送られた言葉です。「とことん正直であれ」と訳されていました。
「正直であるとは、人間にとって最高の徳目であり、突き詰めれば嘘をつかないということ。生きていれば、特に窮地に陥った時には、ついつい嘘をついてその場をしのぎたくなることがある。しかし、どんな時でも決してその場から逃げずにとことん正直を貫く。『政治家とはこんなもん』と、うそぶかない。その姿勢を貫くことが本当に強い人間に導いてくれるはず」手紙にはそう書かれていました。私が16年間それを貫けたかどうかは別にして、この言葉は常に心の片隅に置いてきたつもりです。
今、国政では裏金問題が大きく取り沙汰されています。主権在民の基本的な感覚が薄れ、血税の重さを忘れ、長年の慣習を漫然と引き継ぎ繰り返すことで罪の意識を鈍らせた結果です。この問題を論じるとき、「政治はカネが掛かる。過去からの常識で政治とはこんなモン」と冷めた評価をする人がいます。そんな考えに流されることなく、長い歴史の中で歪められた常識を正し、徹底的にうみを出さなければなりません。新しく生まれ変わるチャンスです。今回の件は長年にわたり、マスコミや野党が取り上げることなく見過ごされてきました。当事者はもとより、チェックする側にも、スキャンダラスな事案を優先的に安易に取り上げ、本来議論すべきテーマや本質に目を向けない鈍った感覚が支配していたと思います。また、国民もその動きを許容してきたことには大きな責任があります。与党も野党もマスコミも有権者も、今までの常識やシステム、価値観を見つめ直し、一時的な混乱も覚悟の上で、徹底して政治本来の姿を取り戻すことが求められていると強く感じます。今まさに「Honesty is always the best policy」の精神に立ち返るときなのです。
2024年02月05日
伝統の駅伝大会 おもてなしに心から感謝を
2月4日、第75回金剛葛城山下一周駅伝大会兼第11回奈良県知事杯駅伝大会が84チームの参加により、雪の残る寒空のもと開催されました。
4年ぶりに市内企業や市民団体によるおもてなしブースも復活し、走り終えた選手たちには「心まで温まった」と大好評でした。発着地点である葛城公園の他、中継地点でのおもてなしや沿道で選手を応援する姿など、御所市を挙げての盛り上がりとなりました。
昭和23年に始まった全国屈指の伝統あるこの駅伝大会は、先人達から引き継ぐ「御所市のおもてなしDNA」が最も凝縮されたイベントかもしれません。今年は山下知事も選手として参加くださり、この大会の温かい雰囲気に大いに感動しておられました。この大会は非常に多くのボランティアのお力で成り立っています。今後もこの素晴らしい大会をさらに盛り上げ、次代にもしっかりと引き継いでいきたいと思います。
大会を支えてくださった全ての皆様に心から御礼申し上げます。お疲れさまでした。
2024年01月22日
大型事業の展開に向けて / 「壁」を超える挑戦を
毎年、この時期には上京し、国会議員の方々や総務省に対する特別交付税の陳情を行っています。特別交付税とは、特別な事情により他の自治体よりも多くの財政需要や財政収入の減少が発生した際にその格差を埋めるために独自に措置される交付税のことです。財政基盤が脆弱な本市にとって頼らざるを得ない貴重な依存財源です。本市はこれまで財政再建に真摯に向き合い、今後はその間に出来なかった必要不可欠な大型事業を展開するタイミングであり、これから数年間はどうしても財政需要が膨らむことをしっかりと訴えました。今年は能登半島地震の甚大な被害の影響で、被災地への対応に交付税の需要が増大することは必至であり、どの自治体にとっても予算確保は厳しい状況ですが、本市の現状に理解を求め、陳情を行いました。
本市の小学校にも大谷翔平選手から寄贈されたグローブが届きました。子どもたちも興奮しているようです。心から感謝を申し上げます。
「憧れるのをやめましょう。ここを超えるために来たんだから」昨年のWBCの決勝、メジャーリーグのスーパースターが名前を連ねるアメリカ戦を前にしたロッカールーム。試合直前のミーティングで、大谷選手がチームメイトに言った言葉です。超えるべき壁を目の前にしたとき、雲の上のようにその壁を見上げているだけではチャレンジする前から結果は見えています。尊敬することと憧れることとは違います。リスペクトする相手を超えることがチャレンジであり、それに挑むこと自体が自分自身の成長につながります。侍ジャパンは、「世界一」という最終目標にぶれずに挑戦し続けることで、プロでありながら大会中もチームとして成長を続け、見事に栄光を勝ち取りました。その姿は、日本はもちろん世界中の多くの人々に大きな感動を与えました。
令和6年から令和15年までが御所市の将来を占う勝負の期間であると職員に伝えました。この10年間、目の前には多くの壁が立ちふさがることと思います。それらの「壁」を出来ない理由や言い訳にするのではなく、逆に前に進むエネルギーに変えて、ぶれない目標を維持し、本気の挑戦者として成長し続けられるよう、市職員一丸となり、前進していきたいと思います。
2024年01月15日
災害への長期的な支援を
能登半島地震の被害状況は想像以上に厳しく、半島という独特の地勢が孤立化を進めてしまっているようです。これからの課題は避難生活への対応、道路や生活インフラの復旧、被災者の健康・精神面のフォロー等が中心になってきます。児童生徒の学校生活への対応、高齢者や障害をお持ちの方、病気療養中の方への対応も大きな問題です。御所市でも本市にご親戚がある被災者の方、一世帯(7名)が避難されています。家屋の倒壊危険度鑑定の資格を持つ市役所職員もこれから交代で現地入りする予定です。
また市内各所で募金箱を設置し、ご協力をお願いしています。すでに多くの皆様方から支援物資提供のお声がけや、義援金のご協力を頂いております。本当にありがとうございます。
被災地への支援は、現地の混乱を避けるため、県が取りまとめてカウンターパートである穴水町に行うこととなっていますので、県の支援本部に情報を伝えているところです。被災者のみなさんへの支援はまだまだ長期戦になりそうです。今後ともご協力をお願いいたします。
2024年01月04日
新年のごあいさつ
明けましておめでとうございます。お健やかに輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。皆様にとって、御所市にとって素晴らしい令和6年になりますようにお祈りいたします。
元日から能登半島で大きな地震が発生し、遠く離れた本市でも震度3を記録しました。けたたましい緊急地震速報の警報音に驚かれた方も多いのではないでしょうか。緊急消防援助隊として、その日のうちに御所消防署からも一隊5名が出動しました。亡くなられた方のご冥福をお祈りし、甚大な被害に遭われた被災地の皆様に心からお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。
令和6年から令和15年まで、この10年間は御所市にとって勝負の年と捉えています。この期間で高額の起債(借金)の償還が終了し、同時に持続可能なまちを目指し進めてきたいくつかの大型事業が具現化し、将来への展望が見え始める時期だからです。これからは、財政状況を常に十分意識しながらも、慎重かつ確実に事業を展開していかなければなりません。平成21年からの財政再建の時と同じような覚悟が必要だと感じています。前回は「事業をしない」という選択の中で財政再建に取り組みましたが、今回は「財政の将来展望を見据えながら事業を推し進める」という、さらに厳しい条件の下となります。令和6年度の予算編成では、@ICTを積極的に活用した日常業務の改善、A民間活力の合理的な活用、B慣習的に行ってきた事務や事業の思い切った見直し、の3点について特に意識するように指示しました。この勝負の10年間の最初である令和6年のスタートにあたり、改めて気を引き締め、確実に前に進んでまいりたいと思います。皆様のさらなるご協力をお願いいたします。
2023年12月25日
年末のごあいさつ
ブログの更新が滞ってしまい申し訳ありません。
まもなく2023年が終わろうとしています。今年もさまざまな出来事が世界中を慌ただしく駆け巡りました。ウクライナやイスラエルでは、悲惨な紛争が未だに続いています。世界規模で異常気象が顕著になり、本市でも初めて線状降水帯による豪雨災害を経験しました。WBC優勝、大谷翔平選手の活躍、阪神優勝と一年を通じて野球の話題が盛り上がり、その他のスポーツも世界を舞台に活躍をみせました。大阪府以外で初めて奈良県に日本維新の会公認の知事が誕生しました。新型コロナウイルス感染症が5類に移行しました。年末に入り政治資金の不正処理が発覚しました。そして、著しい物価高騰が市民生活に今なお深刻な影響を与えています。
本市においてもさまざまな出来事が起こりましたが、引き続き来年も市民の皆様に寄り添いながら、山積する重要事案を慎重かつ確実に前へ前へと進めてまいりたいと考えております。なお一層のご協力をお願い申し上げます。
来年こそは世界中に笑顔のあふれる素晴らしい年となることを心から願い、今年最後のブログといたします。
新型コロナやインフルエンザが猛威を振るっています。くれぐれもご自愛いただき、素晴らしい新年をお迎えください。今年一年、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
2023年11月24日
「未来へつなぐみんなのゲートウェイ」
近鉄御所駅西側に建設予定の新しい庁舎と商業施設や銀行等との複合施設について、「PFI」という事業手法で進めることが議会の特別委員会で承認されました。PFIとは、民間事業者の資金や技術力・ノウハウ等を最大限活用して公共施設を設計から建設、管理・運営までを一括契約する手法で、簡単に言うと、民間事業者が施設を建設し、行政が分割払いでその費用を支払う形式です。一括契約することで約10%の費用を削減できると想定しており、歳出を一括ではなく分割払いすることで平準化され、単年度の財政負担が軽減されるため、他の事業も同時に進めることが可能になります。また、民間が入る部分のコストについてはテナント料を徴収することで、約17年間で建設費用を回収することができます。国から良い条件で起債や補助金を確保できる期間を逃さないこと、民間の商業機能を駅前に確保すること、右肩上がりで上昇する経費の高騰等々を鑑み、今進めるべき事業と判断しています。この駅前での新庁舎と商業施設や銀行などを複合的に整備するという事業については、以前にもお知らせした住民アンケートでも多くの賛成のご意見をいただいており、御所市の将来の「まちづくり」への方向性を確信しているところです。もちろん、その他の課題の進捗に影響を与えてはなりません。さまざまな観点から慎重に進めていくつもりです。順調に進めば令和11年度に完成する予定で、この複合施設のコンセプトは「未来へつなぐみんなのゲートウェイ」としました。今後、詳細について広報紙などを通じてお伝えし、市民のみなさんのご意見も伺っていく予定です。持続可能な御所市を目指し、本市の将来を占う大プロジェクトです。みなさまのご協力をお願いいたします。
2023年11月01日
「統廃合による再編」を未来への投資として
「保育所及び学校の再編」は、本市にとって最も重要な課題の一つですが、市長に就任以来、長きにわたって結論を出せずにおり、大きな責任を感じています。
少子化は想像以上に進み、その他さまざまな社会情勢も変化してきました。同時にGIGAスクール構想のように、ICTの急激な進化により教育に関する体制や価値観が大きく変化し、コロナ禍がそのスピードをさらに進めました。この問題には数えきれない大きな課題が待ち受けていますが、もう先送りできないタイミングになってきました。ハード面を考えることも大切ですが、それ以上に保育や教育の「質」を高めることはよりいっそう重要なものです。最終形まで進めていく中で、御所市の保育、教育の質の向上に努め、そのまま将来につなげていきたいと考えています。
御所市全体をひとつの教育現場として捉え、ICTを活用した授業をさらに進め、教育カリキュラムだけではなく、地域に対する誇りや愛郷心、文化といったものをひとつ上のステージで展開していきたいと考えています。先般提携した奈良教育大学や2つの県立高校、県教育委員会との包括連携協定もうまく活用しながら進めていく予定です。「統廃合による再編」をマイナスイメージで発信するのではなく、素晴らしい保育、教育につながるプラスのイメージに転換することがこの事業のポイントだと確信しています。
御所市の未来を担う子どもたちへの投資は、本市にとって最も大切な投資です。この問題は少し大げさに言うならば、御所市の存在意義を決定づけるものであり、御所市全体の大きなまちづくりプロジェクトとなります。みなさまのご協力をお願いします。
2023年10月12日
令和6年度予算編成に向けて
11月になると次年度の予算編成作業が本格化してきます。市役所にとって最も重要な仕事です。今、本市の財政状況は、基金残高(貯金)が増えたものの、これから展開する大型事業を考えれば起債(借金)も増えていく傾向です。厳しかった財政再建時代を繰り返すことのないよう、今こそさらに気を引き締め、アクセルとブレーキのバランスを考慮しながら「歳入の確保、歳出の削減」に努めなければなりません。ここでいうアクセルは「持続可能な将来の御所市を見据え、前向きで積極的な事業展開」であり、ブレーキは「事業の停止」というよりも、今は「デジタル化や民間活力を活かした合理的な事業展開」「事業、事務の必要性の見直し」になると考えています。要は、事業に工夫を加えて合理的に進めるとともに、慣習的に繰り返してきた事務や事業を思い切って見直す必要があるということです。各担当課には国の動向などの情報に敏感になりながら、精査を繰り返し、自信をもって予算計上するよう指示しました。