本市が非常に古い歴史を有していることは、みなさんご存知だと思います。中にはあまり知られていない史実や逸話も数多くあります。例えば、次のようなものがあります。
「御所柿(ごしょがき)」は完全甘柿のルーツで、それまで柿には渋柿や不完全甘柿しか存在しなかったが御所の地で突然変異の完全甘柿ができたというもの。
そして、橿原神宮付近にあったとされる神武天皇の橿原宮は、御所市柏原にあったとする説。
その神武天皇が初めて「ほほまの丘」(国見山と言い伝えられる)で国見をされた時には、「なんと素晴らしい土地を手に入れたことか。まるで蜻蛉(あきつ=トンボ)のトナメ(交尾)のように連なった山々に囲まれた土地だ」と宣い、ここから日本の古い呼称「秋津洲(あきつしま)」が生じたといわれています。蜻蛉のトナメのように連なった山々とは、もちろん、金剛葛城の稜線を指すのでしょう。
室宮山古墳は、古代豪族葛城氏の祖である葛城襲津彦(かつらぎのそつひこ)の墓と言われており、その娘である磐之媛(いわのひめ)は仁徳天皇の皇后です。
また、葛城山へ修行に通う役行者に恋心を抱いた娘が、役行者に見向きもされず蛇へと化身し後を追いかけたところ、蛇に驚いた村人達が味噌汁をかけて穴に追い詰めた。その娘への供養が野口神社の汁掛け祭りの由来とされています。
日本最初の女医、戸毛の榎本スミは、傷を負った天誅組の吉村虎太郎に手当てを施したという逸話や、日本を代表する大規模なかんがい工事「吉野川分水」は今から約330年前、名柄の庄屋、高橋佐助によって考案された…そんな逸話が市内には数多く残っています。
全て先人達が語り継いできたものです。これだけの逸話が残る地域は日本でもそうないでしょう。誇りでもあり、大切に次代に語り継いでいかなければならないと思います。
2023年10月03日
次代に語り継ぎたい御所の物語
2023年09月11日
一人ひとりが防災の意識を
猛暑と豪雨の記録ずくめの夏が終わろうとしています。「観測史上最も…」という言葉を何度聞いたことでしょうか。うだるような昼の暑さと寝苦しい夜が続き、恐怖を感じるほどの豪雨も何度かありました。本市でも、初めて線状降水帯による豪雨を経験し、浸水や冠水などの被害が発生しました。
数十年前には考えられなかったことですが、全国的に、連日猛暑日が続くなか、熱中症で多くの人が亡くなり、頻発する集中豪雨が深刻な浸水被害をもたらしています。また、世界規模でも予想を超えるような自然災害が続発しており、まさに「地球がおかしい」と肌で感じる夏だったように思います。
今こそ、世界中で一人ひとりが我が事として環境問題を考え、言葉だけでなく、行動に移す必要があると強く感じています。同時に、「奈良県や御所市は自然災害が少ない」という思い込みを捨て、今までと違うレベルでの防災意識を高めることも大切です。今後もしばらくは台風シーズンが続きます。ぜひ、家族やご近所で、いざというときの避難行動や日頃からできる防災対策について話し合ってみてください。
2023年09月01日
前向きかつ慎重な事業展開を
山下知事に御所市の課題について直接お話しする機会がありました。@企業誘致 A駅前中心市街地整備 B公営住宅の協働マネジメント C曽我川の治水対策等について協力をお願いしました。本市は長い歴史を通じて財政力が著しく弱く、「財政再建」の努力を重ねてきました。今でも市税収入は30億円を割り込み、依存財源に頼らざるを得ない厳しい状況です。ただ、みなさまのご協力のお陰をもちまして、平成23年度に41年ぶりに黒字を計上して以来12年連続で黒字を継続し、また、標準財政規模における基金残高(貯金)の割合では、県内12市の中で最も高く(今後は将来の負担軽減のために市債(借金)の繰り上げ償還(返済)を進めていく予定)、前向きに事業を展開する準備は一定整ったと考えています。むしろ、簡単に人口増が望めない実情の中で、このまま何もしなければ、都市として持続させることが厳しくなると感じています。今後は将来へ向けて持続可能な御所市のために、前向きに、なおかつ厳しかった財政再建の経験を忘れることなく、慎重に事業展開を進めていきたいと思います。
2023年08月14日
県内教育機関と包括協定を締結しました
この度、本市と御所実業高校、青翔中・高校、県教育委員会、奈良教育大学の5者で包括連携に関する協定を締結しました。市内にある優秀で特色のある2つの県立中・高校とはすでにさまざまな分野で連携していますが、それを今まで以上に幅広く濃い内容にしていくことが目的です。さらに今回は奈良教育大学にも加わっていただき、市内小・中学校の学力向上や先進的な就学前教育について連携して実践研究をおこなっていただく予定です。
市内の2つの県立高校には3年間(青翔中・高校は6年間)、多くの生徒が市外から御所市に通ってくれています。彼らが大切な成長の時期を御所市で過ごすことで、本市との縁を大切にし、何かしらの意義を持ってほしいと思っています。これは関係人口の拡大に大いにつながるものと考えています。
また、急激な少子化で、本市の幼児園・保育所、小・中学校の規模適正化は待ったなしの状態です。今年度中には基本方針を決定する予定です。ただ、それを実現させるにはどうしても数年間の時間が必要です。その間の児童生徒のためにも、ICTを活用して市内で一体的に授業を実施したり、奈良教育大学の学生に実習の場として市内小・中学校で授業を受け持ってもらったり、新しいスタイルで教育の質の向上に力をお借りする予定です。また、ここ数年、教育大学で熱心に研究を重ねておられる就学前教育についても、本市の幼児園・保育所で実証されることになります。
市、県立中・高校、大学、市内小・中学校、さらには地域や企業も巻き込んだ今後の動きにご注目ください。
2023年08月08日
近鉄・JR御所駅周辺整備事業に向けて
一部の新聞でも報道されましたとおり、近鉄・JR御所駅周辺整備に関して、2回目の市議会特別委員会が開催されました。広報紙でもお知らせした市新庁舎整備に関するアンケート調査等でご存じの方も多いと思いますが、近鉄とJRの駅を一体的に捉え、現在の市役所を近鉄御所駅西側に移動し、商業施設や銀行などを含めて複合的に整備しようとするものです。
本市を代表する拠点を駅前に立地させることで、市内全域の活性化につなげたいと考えています。今後50年を見据えた超大型プロジェクトになりますが、本市が持続可能な都市として歩むために、今こそ事業を進めるべきタイミングだと考えています。少子高齢化が進む中、市役所や市民生活に欠かせないインフラも老朽化し、同時に、物価高騰の勢いが収まらない中、事業を先送りすることは賢明ではないと判断しました。有意義な国や県の交付金や時限立法である過疎対策事業債をフルに活用する予定です。また、歳出を平準化することができるPFI(民間の活力や資金を活用して事業を展開する手法)という事業手法を検討しています。このように財源確保や事業手法を工夫することで、その他の重要事業も並行して進めていくことができると考えています。本市の将来に大きな影響を及ぼす重要な事業です。市民のみなさまからのご意見も伺いながら進めてまいります。
2023年08月01日
県域水道事業の一体化
山下知事による県政がスタートして4か月。ご存じのように多くの事業を積極的に見直しされています。
先日は県域水道一体化について、一体化の方向性には理解を示しておられるものの、試算などのシミュレーションを再度見直し、料金の統一や統合時期について再考する旨の発言がありました。本市においては、老朽管の更新率は県内でもトップクラスですが、資金繰りについては事業統合が予定されている令和7年度より遅れることになれば、資金が枯渇してしまい、本市の水道事業運営に大きな影響を及ぼす、重要な問題です。
これまで数年間、多くの時間を割いて議論を繰り返し、県を含む27自治体の議会にも理解を頂いて慎重に進めてきました。その目的は、水道という最も重要なインフラを持続可能なものにし、市民生活に大きな影響を及ぼす水道料金を合理的に低く抑えることです。奈良県全体では管路更新が著しく進んでいない待ったなしの現状であり、また国の交付金を有効に活用する上でも、早急な対応が求められます。本市だけでなく、多くの自治体と連携しながらスピード感を持ってしっかりと対処していきたいと思います。
2023年07月18日
伝統行事を次代へつなぐために
4年ぶりに本格開催された、鴨都波神社の夏祭りに氏子として参加しました。コロナ前を上回る過去最高のにぎわいで、市外県外からも多くの方が奈良県指定無形民俗文化財の「ススキ提灯献灯行事」の見学に来られ、大いに盛り上がりました。コロナの影響で一旦中止や縮小を余儀なくされた祭りやイベントを、以前のように復活させるのはなかなか難しいことです。特に伝統行事は、高齢化や継承する人手不足から、全国的にこのタイミングで長年の歴史に幕を下ろすところも少なくないようです。我が国では氏神様の「祭り」は長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた地域コミュニティの最も基礎となる行事であり、地域の力を維持させるためにも大切なイベントです。鴨都波神社でも氏子の高齢化や人手不足は進んでいますが、祭りを中心となって運営する世代、それを支える世代、全体的な世話をする高齢者世代がそれぞれに組織されていたり、今回のように氏子以外の大学生を受け入れたり、秋には地元高校生に協力を求めたり、さまざまな工夫がなされています。外部の方を受け入れることが、地元の人々の大きな刺激にもつながっているようです。
このように伝統行事を守る上で、これからはちょっとした「工夫」が必要になってくるのかも知れませんが、場合によっては、それが逆に地域コミュニティを強めるチャンスにつながる可能性もあるように感じます。夏から秋にかけて各地で祭りが予定されています。祭りを地域の誇りとして次代につないでいけたら、と感じています。
2023年07月03日
骨太方針2023
6月16日、「経済財政運営と改革の基本方針2023」、いわゆる「骨太方針2023」が閣議決定されました。新しい資本主義を加速させるとして、予想していたとおり、D](デジタルトランスフォーメーション)や、少子化対策といった内容が大きく取り上げられています。ただ、今回の骨太方針には、強い説得力を感じることができません。その理由として、まずは、方針の柱でもあるD]、デジタル化の基盤装置ともいえるマイナンバーカードに関してさまざまなトラブルが発生し、信用が大きく揺らいでしまったこと。もう一つの柱である少子化対策においては、「異次元」と銘打ち展開された子育て支援の財源論が先送りされ、政策の持続可能性に大きな不安が生じていることが挙げられます。
これらの不安材料は、地方自治体にとっても大きな影響を受ける問題です。国が決定した政策によるトラブルには、市民生活に最も近い市区町村が対応し、市民に寄り添わなければなりません。また財源に関しても、国策であっても、国庫で100%財源確保するものもあれば、地方が相当額を負担しなければならないものも見込まれます。いずれにしてもまだまだ具体的な政策は流動的であり、本市にどのような影響が生まれるのか、今後も動向をしっかりと注視していきたいと思います。
2023年06月23日
出納閉鎖と財源確保
5月末の出納閉鎖で令和4年度決算の概要が判明しました。一般会計の実質収支で約8億3000万円の黒字を計上することができました。平成23年度に41年ぶりに黒字転換してから12年連続で黒字を計上しています。基金も一定額積み上げることができましたが、これからは将来の負担軽減のため、できるだけ借金を前倒しして返済する繰り上げ償還に回そうと考えています。
しかしながら、本市の財政上のアキレス腱でもある「依存財源に頼る財政構造」の解消には至っておらず、財政構造の硬直度を示す経常収支比率は100%を切ったものの、県内ではワーストであり、厳しい状態です。また、税の徴収率もここ10数年で確実に上昇していますが、元となる調定額自体が減少し、市税収入も30億円に満たない状態が続いています。これから大型事業を展開していく上でも、さらに気を引き締め、財源確保と経費削減に努めなければなりません。
この度、新型コロナウイルスに感染しました。39度を超える熱とせき、のどの痛みが主な症状でした。6月議会の中でも重要な一般質問の場に出席することができず、議会運営に多大なご迷惑をおかけしました。深く反省しております。5月にインフルエンザと同じ5類感染症に位置付けられたものの、ここに来て再び流行していることを身をもって体験しました。自らの身体だけではなく、周りにも大きな影響を及ぼします。決して油断することなく、基本的な感染予防対策をしっかりと行うようお勧めします。くれぐれもお気をつけてください。
2023年06月05日
今こそ災害への心構えを
台風第2号と発達した梅雨前線の影響で、6月2日、本市でもここ最近経験したことのないような長時間の大雨に見舞われました。曽我川、葛城川の水位が急激に上昇し、市内各所で床上・床下浸水、道路や田畑の浸水、土砂崩れ等が相次いで発生しました。気象警報発表に伴い、避難情報も発令しました。毎回、警報が発表された時は、速やかに災害対策本部を立ち上げ、さまざまな情報を収集しながら対応に当たっています。今回は一時期、ほとんどの職員を災害対応に招集する時間帯もあり、夜を徹して対応に当たりました。まだまだ作業を継続しなければならない箇所も多数あり、国、県とも連携しながら復旧作業を進めてまいります。被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。
今回、改めて気候変動や線状降水帯の恐ろしさを実感したように思います。私自身も心のどこかで、線状降水帯が御所市に直接影響を与えることはないものだと思っていたのかもしれません。これから出水期が続き、台風のシーズンもやってきます。職員一同、心して対応してまいります。みなさまも自然災害から身を守る意識をさらに高めていただきますようお願いいたします。
2023年05月29日
公平性・持続可能・将来への責任
6月の骨太の方針発表を控え、財源に関する議論が活発になっています。特に「異次元の少子化対策の財源」については、社会保険料の値上げの議論もあり、大きな関心事となっています。財源確保のポイントは「公平性」と「持続可能」だと思います。政府が考えている財源確保策における国民負担は、本当に国民が納得できるだけの公平性を担保しているのか。また、例えば高校授業料無償化や給食費無償化といった施策は、一時的なものではなく、一度舵を切ると恒久的に推し進めなければなりません。
そして、高校授業料無償化を実行しようとしている大阪府と奈良県では自主財源の規模そのものが決定的に違います。確かに市民にとっては耳ざわりの良い政策ですが、限られた財源の中で将来にわたって責任を持って継続できるのか、他のサービスに影響が出ないのか、しっかりと精査しなければなりません。本市においても、今取り組んでいる多くの課題は、20年先、そして50年先にまで大きな影響を与えるものばかりです。政策立案の際には、常に「公平性」や「持続可能」「将来への責任」といったことも強く意識しながら進めていかなければなりません。
2023年05月12日
国あげての「子育て」支援を
国では子育てに対する経済的支援策の議論が繰り返されています。6月に発表される次年度予算の基礎となる「骨太の方針」を注視していきたいと思います。
長引く物価高騰の中、経済的な事情が家庭生活や子育てに深刻な影響を及ぼしています。子どもを産み育てることも困難となり、それが少子化を加速させていると言われています。行政としてしっかり寄り添わなければなりません。本市でも今回配分された交付金の使途を熟考し、国の動向も考慮した上で、給食費、副食費の無償化等を予定しています。ただ、多様な経済支援を展開すれば少子化に歯止めがかけられるのか、という疑問が頭をよぎります。
子育て支援策として、さまざまな経済的支援を行うべく自治体同士で過剰な競争を繰り返しても、実情は国の財源の取り合いをしているような状態であり、国全体としての大枠の意味での少子化対策にはなっていません。
抽象的な理想論かも知れませんが、単なる経済支援だけではなく、「子育て」そのものの尊さについて、もっと深く、幅広く議論が展開されてもいいのではと感じています。新しく創設されたこども家庭庁での議論に期待したいと思います。
2023年05月09日
大型連休のにぎわい3年ぶりに
3年ぶりに行動制限のない大型連休が終わりました。比較的天候にも恵まれ、3年間のストレスを振り払うように、本市も多くの観光客でにぎわいました。私も市内各地に足を運び、改めて御所市の観光資源のレベルの高さに感動しました。ただ、今年は花の開花がどこも2週間ほど早く、ベストの状況を見過ごしてしまったり、いつもより早く見頃を迎えたというところもありました。意外なところで地球温暖化を身近に感じています。来年の大型連休も無事に、多くの来訪者で御所市がにぎわうことを願っています。
新型コロナウィルスの感染症法上の位置付けが5類に引き下げられました。本市も施設利用等のさまざまな制限を解除し、予防対策も徐々に緩和する方向で対応してまいります。ただ、ウイルスが消えた訳ではありません。多くの人が密集する場合や高齢者、基礎疾患をお持ちの方等には引き続き配慮が必要です。個人によって異なるコロナウイルスへの適切な対応を十分に理解しながら、ウィズコロナ・アフターコロナを乗り切りたいと思います。ご理解とご協力をお願いいたします。
2023年05月01日
県民・市民のための「奈良県」を
4月の統一地方選挙では全国的に日本維新の会が大きく躍進し、奈良県では大阪以外で初めて維新の知事が誕生しました。この結果を県民の選択として真摯に受け止め、県と市の新たな連携体制を作っていきたいと思います。今まで、本市は財政面でも、まちづくりでも県に大きな力をお借りしてきました。これからも県と市が連携しながら進めなければならない課題が山積しています。「身を切る改革」で子育てなどのソフト事業の財源を捻出するのが新しい知事の基本的な考え方です。確かに新しい視点で既存の事業を見直していくのは重要な作業だと思います。しかし、ここで言う改革は決して大阪と同じような形で押し進めるのではなく、奈良県内の事情にしっかりと目を向けた独自の持続可能な改革でなければなりません。人口減が著しく、コロナ禍によってさまざまな価値観が大きく変化した今こそ、ヒト、モノ、カネが県内で循環し、地元の素晴らしさを子どもたちにしっかりと伝えていく、自立した奈良県、脱ベッドタウンを目指さなければならないと強く感じています。新しい知事にしっかりと想いを伝え、「県民市民のため」に立脚して連携していきたいと思います。
2023年04月25日
御所のベストシーズン到来
3年ぶりに行動制限のない大型連休を迎えます。御所市内各地の観光名所が最も輝く季節。たくさんの方にご来訪いただきたいですし、この機会に市民のみなさんにも、ふるさと御所市の素晴らしさを再発見していただきたいと願っています。
今年は葛城山や船宿寺のツツジ等は例年よりかなり早い開花となりそうです。御所まちの中や山麓沿い、葛方面にも新しい食事場所や観光スポットが誕生しています。
5月8日には新型コロナが感染症法上の位置付けが5類に引き下げられます。第9波を懸念する声もありますが、このような状態を繰り返しつつ、ウィズコロナ、アフターコロナを進んでいくようにも感じています。基本的な感染対策に留意しながら、御所市のベストシーズンをぜひご満喫ください。
2023年04月17日
県政と御所市の未来を見据えて
16年ぶりに奈良県知事が変わります。私は個人的に現職を応援していましたが、選挙戦が終わればノーサイド。県民の意思として結果を真摯に受け止め、新たなスタイルで県民、市民に軸足を置き、しっかりと連携していきたいと考えています。ただ、新しい知事が選挙中に訴えられていた「身を切る改革」を進める時、決して大阪と同じように進められるものではないと思っています。今まで進めてきた本市にとってメリットの大きい事業は確実に継続させ、奈良県の将来をしっかりと見据えた、奈良県オリジナルの改革を進めていただきたいと願っています。
新しい知事の任期であるこれから4年間は、御所市にとっても持続可能な市を目指してさまざまな事業を展開していかなければならない重要な時期になります。その重要性をしっかりと訴え、新しい御所市選出の県議会議員さんとも連携しながら、是々非々で対応していきたいと思います。
2023年04月03日
令和5年度がスタートしました
人類の歴史に刻まれたパンデミックから3年が経過し、社会のあらゆる分野で大きな変化が生まれました。さまざまな価値観が大きく転換し、新たな価値観が生まれ、それとともに日々進化するICT化や急激な少子高齢化、未曽有の自然災害、市民生活に深刻な影響を与える物価高騰等、50年ほど前には想像もつかなかった社会情勢へと変貌しています。まさに、社会全体が未経験の「次」の世界に入っていくタイミングです。
今年度、市制施行66年目を迎える本市にとっても、新しい御所市に生まれ変わる「次」の段階に入っていきます。そんな中、令和5年度の御所市の仕事は、ソフト面・ハード面ともに、50年後の市民に引き継ぐ責任を自覚し、先を見据えた持続可能で確実な「御所市の次を設計」することです。令和5年度の御所市の「次」の課題は、各方面にわたり山積するものの、それぞれがより明確になってきました。
新年度がスタートするにあたり、一つひとつの課題を主体的に捉え、かつ「担当として」という縦割り型の考え方から「御所市として」という横断的な考え方にシフトし、セクト意識をなくして対応するように指示しました。「御所市の次を設計」する責任と誇りを大切に、令和5年度を前へ前へと進んでいきたいと思います。
2023年03月13日
マスクの着用基準が変わりました
厚生労働省は「令和5年3月13日以降、マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となりました。本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、ご配慮をお願いします。」と発信しています。
本市としても、庁舎や各施設に来訪される方々のマスクについては、特に密になる状態などの特別な場合を除き、個人のご判断にお任せいたします。職員については今までと同様に屋内では着用を基本としています。ただし、感染状況等に鑑み対応を変えることもあります。ご理解のほどお願いいたします。
3年間の習慣が大きく変化することになり、いろいろな場面で混乱も予想されます。大切なのは、個人の判断を尊重し、必要以上の強制や偏見があってはならないということです。これもアフターコロナ、ウィズコロナの中で、新しい価値観として社会全体で共有していかなければならない課題だと思います。
2023年03月02日
「活気あふれる未来の御所市への礎」として
3月議会で審議いただく令和5年度の一般会計予算案の総額は185億8千万円で対前年度比0.4%減となっています。この議会で発表する施政方針では持続可能な都市を目指し、「活気あふれる未来の御所市への礎」と表現しています。
平成20年、私が市長に就任した時には、一般会計の実質収支で13億900万円の累積赤字を抱え、近畿圏内の市では本市を含む2市が早期健全化団体(国からいわゆるイエローカードが提示され財政健全化計画の策定が義務付けられる、財政再生団体の一歩手前)に指定されました。当時の週刊誌には「夕張市の次は奈良県御所市」などと、不安をあおるような記事が掲載されました。国や県、議会の力強いご協力と職員の頑張り、何よりも市民のみなさんのご理解により、平成23年には本市にとってなんと41年ぶりの実質収支黒字化を達成、以来11年間連続で黒字を計上することができました。一方で、経常収支比率は令和3年度で94.2%と少し改善されたものの、県内で最も高く、依然として財政状況は硬直化しており、さらなる財源探求と徹底した歳出改革が必要です。大型事業を抱える中で、厳しい財政運営が続きますが、3月議会では、令和5年度予算案に込めた想いをしっかりと説明したいと思います。
2023年02月27日
未来を担う子どもたちに「誇り」と「夢」を
毎年、市内の小学校に出向き、「ふれあいスクールミーティング」と題して、5、6年生を対象に1時間の授業をさせてもらっています。もちろん算数や国語を教えるのではなく、行政の仕組みや御所市の現状・課題、これから進めようとしている事業などを簡単に説明しています。そして、それぞれの小学校区や地域の歴史、小学校出身者の活躍、地域の産業など、みんなが生まれ育ってきた地域がいかに素晴らしいところであるかを、少し大げさに話し、こんな素晴らしい地域に生まれたことを誇りに思わないともったいないと伝えています。そして、自分たちの家族や友達、先生、地域、そして自分自身に「誇り」と「夢」を持つことの大切さ、素晴らしさを話しています。子どもたちは想像以上に目を輝かせ、真剣に私の話を聞いてくれるので、こちらもついつい熱が入って時間を超過してしまいがちになります。授業の最後には、子どもたちからの質問を受け付けます。「ゲームセンターやショッピングモールが欲しい」「給料はいくらですか」「市長をしていて一番うれしいことは何ですか」「休日は何をしていますか」などの質問のほか、中には「人口を増やすには」「学校の統廃合について」「観光で市外の人を呼び込むには」など、重要な行政課題についてのハッとするような提案も出てきます。まちを紹介するプロモーションビデオを作った学校もありました。次の御所市を担う主人公であるこの子どもたちが、少しでも自分のまちに誇りを持ち、夢を重ねてほしいと願っています。