引き続き市長の重責を担わせていただくことになりました。結果として無投票での5選ということになり、やや複雑な思いもありますが、負託を受けた以上しっかりとこの大きな責任を全うさせていただきたいと思います。
今回の選挙においてキーワードとして訴えたのは、「勝負の10年のスタート」ということです。以前にも申し上げましたが、令和6年からの10年間で大きな起債(借金)の償還が終了し、一方で、将来につながる大きなプロジェクトが具現化するのがこれからの10年間であり、ここを上手く乗り切ることで御所市は持続可能な都市としての基盤が整うと確信しています。その中で6つの重点施策をお示ししました。@新しい学校づくり A新しい保育所づくり B庁舎複合施設を含む近鉄・JR御所駅前整備 C企業誘致 D観光戦略の確立 E攻めの農林業 の6つです。どれも非常に大きな課題ばかりです。同時にこれからの10年は現実問題としてさらに人口減が続き、ICT等の技術革新が目覚ましく進み、さまざまな社会環境や価値観が大きく変換するタイミングでもあります。予測困難な10年ではありますが、新しい御所市の未来に向けて、「大きな責任を確かな決断で」市政の舵取りを担わせていただくつもりです。今までの厳しい財政再建の道を歩んできた時のように、"オール御所市"で「勝負の10年」を市民のみなさまとともに前へ前へと進んで参りたいと思います。みなさまのさらなるご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
2024年05月27日
大きな責任を確かな決断で
2024年05月01日
質の高い本物の政策を
人口戦略会議が改めて消滅可能性自治体を発表しました。全国で744自治体、そのうち奈良県が22。本市もその中のひとつに挙げられています。ただ、これは誰に向けてのメッセージなのか甚だ疑問に感じています。国なのか、地方なのか、国民なのか。人口問題は最重要の国家戦略であるはずです。国全体の人口減を真正面から受け止め、国策として戦略を練らなければならず、地方間での人口の奪い合いでは全く意味がありません。あえて誤解を恐れずに申し上げると、〇〇無償化、特別給付、定額減税等々の施策にどれだけの効果があるのでしょう。また、地方が人口増の達成に向け、骨身を削って「うちは他市町村よりお得」と言わんばかりの政策を講じることにどれだけの意味があるのでしょう。もちろん社会情勢の変化に合わせ、子どもを産みやすい、子育てを後押しする環境づくりに国も地方も真剣に取り組まなければなりません。また、手厚い子育て支援により人口増を果たした他市の政策を批判するつもりもありませんし、生ぬるい理想論を言って、本市の人口問題から逃避するつもりもありません。では本市としてやらなければならないのは何か。一時的、パフォーマンス的な政策ではなく、本市の子どもたちを「宝」として大切に思う心で「妊婦に寄り添う姿勢と子育ての質の向上」だと考えます。そして、その内容をしっかりと市内外に伝えることだと思います。これはほかの政策にも通じるものがあります。マスコミ等の発信に逐一反応するのではなく、質の高い本物の政策を愚直に貫くことだと思います。
2024年04月12日
データに基づいた政策立案を
毎年恒例の「統計からみた御所市のすがた」の令和6年度版が今年も職員研究グループが中心になって作成されました。非常に質の高い統計書に仕上がっており、県内でも注目を集めています。さまざまなデータが掲載され、本市が県内でどのような位置にあるのか、本市の強み・弱みがひと目で分かるようになっています。中にはショッキングな数字もありますが、データに基づいた政策立案をするうえで大変役立ちます。私も議会や委員会等に出席の際は必ず携行し、議論のエビデンスとして活用しています。例えば、本市の課題の一つでもある人口減の要因について、本市の場合は社会減(転入転出の差)はそこまで多くありませんが、自然減(出生死亡の差)は直近一年間で県内12市の中で2番目の減少率となっています。また婚姻率も県内12市で最も低く、少子化が本市の人口減の最大の課題であることが浮き彫りになっています。よく、本市には産婦人科や小児科が無いことが少子化の一因との指摘を受けます。さまざまな検討をしていますが、専門医の招致はなかなか難しいのが現状です。そこで、本年度から産婦人科や小児科のオンラインによる相談サービスをスタートさせました。スマホで専門医に相談できたり、ウェブでは24時間相談できるようになっています。是非ご活用ください。本市は妊娠期から伴走型で手厚く妊娠、子育てのフォローができるシステムを有しており、他市には引けを取らないと自負しています。今後もデータを参考にしながら子育て支援体制の充実に努めていきます。
2024年04月01日
「勝負の10年の第一歩」
令和6年度の御所市役所のテーマを「勝負の10年の第一歩」としました。このフレーズは令和6年度予算編成方針や施政方針でも申し上げ、3月議会においても何度も話題に上りました。
市がこれまで借り入れた大型起債(借金)の償還は今後10年で終了しますが、時を同じくして、現在進めている将来につながる多くの事業が今後10年で具現化することになります。
16年前、私が市長に就任したとき、本市は極端な財政難から「事業をしない」という選択を余儀なくされ、ひたすら財政再建に取り組みました。過去において市民のみなさんや市職員たちが財政再建のため多大な抑制を強いられた苦難の轍を再び踏むことのないよう、次なる10年、20年をしっかりと見据え、持続可能な都市としての基盤を確実なものにしていくのが、これからの「勝負の10年」です。同時に、過去10年とは全く違う価値観で進まなければならない「変革の10年」でもあります。社会情勢は目まぐるしく変化し、ICT等の技術革新が想像を超えるスピードで進化発展するなか、行政が担うべき役割や価値観も変化を余儀なくされています。今までと同じ事務の継承だけでは対応しきれないのはもちろん、組織の枠組みだけで行政課題の全てに立ち向かうには限界があります。大切なのは、職員一人ひとりが本市の課題を我が事として捉え、部局横断型のオール市役所で対応していく姿勢です。「勝負の10年」。そのスタートを切る令和6年度は、こうした意識を共有することから始まると考えています。
2024年03月14日
持続可能な水道インフラの維持のために
能登半島地震の復旧には予想以上に時間がかかりそうです。本市からは建物被害認定調査、避難所運営、応急給水活動に職員を派遣しています。また、市民の皆様からお寄せいただいた義援金は日本赤十字社を通じて被災地に届けられます。ご協力に感謝申し上げますとともに、今後もできる限り被災地に寄り添った支援を行いたいと考えています。
今回の震災では特に上水道の復旧に時間がかかっています。水道管の耐震化率が低く、破損による断水が予想以上に広がっているようです。国は2028年度に水道管の耐震適合率60%を目指していますが、2021年度末の全国平均では41.2%、奈良県平均は44.4%、御所市では50.4%に止まっています。
こうした状況の中、奈良県では2026年度から県内26市町村で水道一体化を目指しています。この取組の中ではどうしても水道料金の動向が注目されがちですが、第1目標は「持続可能な水道インフラの維持」です。国の補助金や県の財政支援を有効活用し、水道施設を26市町村の共有財産として広域で連携・協力しながら集約化し、管理を行っていくことで、施設の強靭化、財政基盤の強化、安全安心な水の持続的供給等、単独で経営するよりはるかに大きなメリットが見込まれます。また、水道料金についても、合理的な運営をすることで料金水準の上昇を抑制することが可能です。もちろん本市にとっても大きなメリットがあると確信しています。2026年度から確実に運営できるよう、今その準備が急ピッチで進められています。