2023年10月03日

次代に語り継ぎたい御所の物語

 本市が非常に古い歴史を有していることは、みなさんご存知だと思います。中にはあまり知られていない史実や逸話も数多くあります。例えば、次のようなものがあります。
 「御所柿(ごしょがき)」は完全甘柿のルーツで、それまで柿には渋柿や不完全甘柿しか存在しなかったが御所の地で突然変異の完全甘柿ができたというもの。
 そして、橿原神宮付近にあったとされる神武天皇の橿原宮は、御所市柏原にあったとする説。
 その神武天皇が初めて「ほほまの丘」(国見山と言い伝えられる)で国見をされた時には、「なんと素晴らしい土地を手に入れたことか。まるで蜻蛉(あきつ=トンボ)のトナメ(交尾)のように連なった山々に囲まれた土地だ」と宣い、ここから日本の古い呼称「秋津洲(あきつしま)」が生じたといわれています。蜻蛉のトナメのように連なった山々とは、もちろん、金剛葛城の稜線を指すのでしょう。
 室宮山古墳は、古代豪族葛城氏の祖である葛城襲津彦(かつらぎのそつひこ)の墓と言われており、その娘である磐之媛(いわのひめ)は仁徳天皇の皇后です。  
 また、葛城山へ修行に通う役行者に恋心を抱いた娘が、役行者に見向きもされず蛇へと化身し後を追いかけたところ、蛇に驚いた村人達が味噌汁をかけて穴に追い詰めた。その娘への供養が野口神社の汁掛け祭りの由来とされています。 
 日本最初の女医、戸毛の榎本スミは、傷を負った天誅組の吉村虎太郎に手当てを施したという逸話や、日本を代表する大規模なかんがい工事「吉野川分水」は今から約330年前、名柄の庄屋、高橋佐助によって考案された…そんな逸話が市内には数多く残っています。
 全て先人達が語り継いできたものです。これだけの逸話が残る地域は日本でもそうないでしょう。誇りでもあり、大切に次代に語り継いでいかなければならないと思います。

posted by 東川 裕 at 19:20| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月11日

一人ひとりが防災の意識を

 猛暑と豪雨の記録ずくめの夏が終わろうとしています。「観測史上最も…」という言葉を何度聞いたことでしょうか。うだるような昼の暑さと寝苦しい夜が続き、恐怖を感じるほどの豪雨も何度かありました。本市でも、初めて線状降水帯による豪雨を経験し、浸水や冠水などの被害が発生しました。
 数十年前には考えられなかったことですが、全国的に、連日猛暑日が続くなか、熱中症で多くの人が亡くなり、頻発する集中豪雨が深刻な浸水被害をもたらしています。また、世界規模でも予想を超えるような自然災害が続発しており、まさに「地球がおかしい」と肌で感じる夏だったように思います。
 今こそ、世界中で一人ひとりが我が事として環境問題を考え、言葉だけでなく、行動に移す必要があると強く感じています。同時に、「奈良県や御所市は自然災害が少ない」という思い込みを捨て、今までと違うレベルでの防災意識を高めることも大切です。今後もしばらくは台風シーズンが続きます。ぜひ、家族やご近所で、いざというときの避難行動や日頃からできる防災対策について話し合ってみてください。

posted by 東川 裕 at 16:55| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月01日

前向きかつ慎重な事業展開を

 山下知事に御所市の課題について直接お話しする機会がありました。@企業誘致 A駅前中心市街地整備 B公営住宅の協働マネジメント C曽我川の治水対策等について協力をお願いしました。本市は長い歴史を通じて財政力が著しく弱く、「財政再建」の努力を重ねてきました。今でも市税収入は30億円を割り込み、依存財源に頼らざるを得ない厳しい状況です。ただ、みなさまのご協力のお陰をもちまして、平成23年度に41年ぶりに黒字を計上して以来12年連続で黒字を継続し、また、標準財政規模における基金残高(貯金)の割合では、県内12市の中で最も高く(今後は将来の負担軽減のために市債(借金)の繰り上げ償還(返済)を進めていく予定)、前向きに事業を展開する準備は一定整ったと考えています。むしろ、簡単に人口増が望めない実情の中で、このまま何もしなければ、都市として持続させることが厳しくなると感じています。今後は将来へ向けて持続可能な御所市のために、前向きに、なおかつ厳しかった財政再建の経験を忘れることなく、慎重に事業展開を進めていきたいと思います。

posted by 東川 裕 at 09:03| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月14日

県内教育機関と包括協定を締結しました

 この度、本市と御所実業高校、青翔中・高校、県教育委員会、奈良教育大学の5者で包括連携に関する協定を締結しました。市内にある優秀で特色のある2つの県立中・高校とはすでにさまざまな分野で連携していますが、それを今まで以上に幅広く濃い内容にしていくことが目的です。さらに今回は奈良教育大学にも加わっていただき、市内小・中学校の学力向上や先進的な就学前教育について連携して実践研究をおこなっていただく予定です。
 市内の2つの県立高校には3年間(青翔中・高校は6年間)、多くの生徒が市外から御所市に通ってくれています。彼らが大切な成長の時期を御所市で過ごすことで、本市との縁を大切にし、何かしらの意義を持ってほしいと思っています。これは関係人口の拡大に大いにつながるものと考えています。
 また、急激な少子化で、本市の幼児園・保育所、小・中学校の規模適正化は待ったなしの状態です。今年度中には基本方針を決定する予定です。ただ、それを実現させるにはどうしても数年間の時間が必要です。その間の児童生徒のためにも、ICTを活用して市内で一体的に授業を実施したり、奈良教育大学の学生に実習の場として市内小・中学校で授業を受け持ってもらったり、新しいスタイルで教育の質の向上に力をお借りする予定です。また、ここ数年、教育大学で熱心に研究を重ねておられる就学前教育についても、本市の幼児園・保育所で実証されることになります。
 市、県立中・高校、大学、市内小・中学校、さらには地域や企業も巻き込んだ今後の動きにご注目ください。

posted by 東川 裕 at 13:36| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月08日

近鉄・JR御所駅周辺整備事業に向けて

 一部の新聞でも報道されましたとおり、近鉄・JR御所駅周辺整備に関して、2回目の市議会特別委員会が開催されました。広報紙でもお知らせした市新庁舎整備に関するアンケート調査等でご存じの方も多いと思いますが、近鉄とJRの駅を一体的に捉え、現在の市役所を近鉄御所駅西側に移動し、商業施設や銀行などを含めて複合的に整備しようとするものです。
 本市を代表する拠点を駅前に立地させることで、市内全域の活性化につなげたいと考えています。今後50年を見据えた超大型プロジェクトになりますが、本市が持続可能な都市として歩むために、今こそ事業を進めるべきタイミングだと考えています。少子高齢化が進む中、市役所や市民生活に欠かせないインフラも老朽化し、同時に、物価高騰の勢いが収まらない中、事業を先送りすることは賢明ではないと判断しました。有意義な国や県の交付金や時限立法である過疎対策事業債をフルに活用する予定です。また、歳出を平準化することができるPFI(民間の活力や資金を活用して事業を展開する手法)という事業手法を検討しています。このように財源確保や事業手法を工夫することで、その他の重要事業も並行して進めていくことができると考えています。本市の将来に大きな影響を及ぼす重要な事業です。市民のみなさまからのご意見も伺いながら進めてまいります。

posted by 東川 裕 at 18:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする