山下知事による県政がスタートして4か月。ご存じのように多くの事業を積極的に見直しされています。
先日は県域水道一体化について、一体化の方向性には理解を示しておられるものの、試算などのシミュレーションを再度見直し、料金の統一や統合時期について再考する旨の発言がありました。本市においては、老朽管の更新率は県内でもトップクラスですが、資金繰りについては事業統合が予定されている令和7年度より遅れることになれば、資金が枯渇してしまい、本市の水道事業運営に大きな影響を及ぼす、重要な問題です。
これまで数年間、多くの時間を割いて議論を繰り返し、県を含む27自治体の議会にも理解を頂いて慎重に進めてきました。その目的は、水道という最も重要なインフラを持続可能なものにし、市民生活に大きな影響を及ぼす水道料金を合理的に低く抑えることです。奈良県全体では管路更新が著しく進んでいない待ったなしの現状であり、また国の交付金を有効に活用する上でも、早急な対応が求められます。本市だけでなく、多くの自治体と連携しながらスピード感を持ってしっかりと対処していきたいと思います。
2023年08月01日
県域水道事業の一体化
2023年07月18日
伝統行事を次代へつなぐために
4年ぶりに本格開催された、鴨都波神社の夏祭りに氏子として参加しました。コロナ前を上回る過去最高のにぎわいで、市外県外からも多くの方が奈良県指定無形民俗文化財の「ススキ提灯献灯行事」の見学に来られ、大いに盛り上がりました。コロナの影響で一旦中止や縮小を余儀なくされた祭りやイベントを、以前のように復活させるのはなかなか難しいことです。特に伝統行事は、高齢化や継承する人手不足から、全国的にこのタイミングで長年の歴史に幕を下ろすところも少なくないようです。我が国では氏神様の「祭り」は長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた地域コミュニティの最も基礎となる行事であり、地域の力を維持させるためにも大切なイベントです。鴨都波神社でも氏子の高齢化や人手不足は進んでいますが、祭りを中心となって運営する世代、それを支える世代、全体的な世話をする高齢者世代がそれぞれに組織されていたり、今回のように氏子以外の大学生を受け入れたり、秋には地元高校生に協力を求めたり、さまざまな工夫がなされています。外部の方を受け入れることが、地元の人々の大きな刺激にもつながっているようです。
このように伝統行事を守る上で、これからはちょっとした「工夫」が必要になってくるのかも知れませんが、場合によっては、それが逆に地域コミュニティを強めるチャンスにつながる可能性もあるように感じます。夏から秋にかけて各地で祭りが予定されています。祭りを地域の誇りとして次代につないでいけたら、と感じています。
2023年07月03日
骨太方針2023
6月16日、「経済財政運営と改革の基本方針2023」、いわゆる「骨太方針2023」が閣議決定されました。新しい資本主義を加速させるとして、予想していたとおり、D](デジタルトランスフォーメーション)や、少子化対策といった内容が大きく取り上げられています。ただ、今回の骨太方針には、強い説得力を感じることができません。その理由として、まずは、方針の柱でもあるD]、デジタル化の基盤装置ともいえるマイナンバーカードに関してさまざまなトラブルが発生し、信用が大きく揺らいでしまったこと。もう一つの柱である少子化対策においては、「異次元」と銘打ち展開された子育て支援の財源論が先送りされ、政策の持続可能性に大きな不安が生じていることが挙げられます。
これらの不安材料は、地方自治体にとっても大きな影響を受ける問題です。国が決定した政策によるトラブルには、市民生活に最も近い市区町村が対応し、市民に寄り添わなければなりません。また財源に関しても、国策であっても、国庫で100%財源確保するものもあれば、地方が相当額を負担しなければならないものも見込まれます。いずれにしてもまだまだ具体的な政策は流動的であり、本市にどのような影響が生まれるのか、今後も動向をしっかりと注視していきたいと思います。
2023年06月23日
出納閉鎖と財源確保
5月末の出納閉鎖で令和4年度決算の概要が判明しました。一般会計の実質収支で約8億3000万円の黒字を計上することができました。平成23年度に41年ぶりに黒字転換してから12年連続で黒字を計上しています。基金も一定額積み上げることができましたが、これからは将来の負担軽減のため、できるだけ借金を前倒しして返済する繰り上げ償還に回そうと考えています。
しかしながら、本市の財政上のアキレス腱でもある「依存財源に頼る財政構造」の解消には至っておらず、財政構造の硬直度を示す経常収支比率は100%を切ったものの、県内ではワーストであり、厳しい状態です。また、税の徴収率もここ10数年で確実に上昇していますが、元となる調定額自体が減少し、市税収入も30億円に満たない状態が続いています。これから大型事業を展開していく上でも、さらに気を引き締め、財源確保と経費削減に努めなければなりません。
この度、新型コロナウイルスに感染しました。39度を超える熱とせき、のどの痛みが主な症状でした。6月議会の中でも重要な一般質問の場に出席することができず、議会運営に多大なご迷惑をおかけしました。深く反省しております。5月にインフルエンザと同じ5類感染症に位置付けられたものの、ここに来て再び流行していることを身をもって体験しました。自らの身体だけではなく、周りにも大きな影響を及ぼします。決して油断することなく、基本的な感染予防対策をしっかりと行うようお勧めします。くれぐれもお気をつけてください。
2023年06月05日
今こそ災害への心構えを
台風第2号と発達した梅雨前線の影響で、6月2日、本市でもここ最近経験したことのないような長時間の大雨に見舞われました。曽我川、葛城川の水位が急激に上昇し、市内各所で床上・床下浸水、道路や田畑の浸水、土砂崩れ等が相次いで発生しました。気象警報発表に伴い、避難情報も発令しました。毎回、警報が発表された時は、速やかに災害対策本部を立ち上げ、さまざまな情報を収集しながら対応に当たっています。今回は一時期、ほとんどの職員を災害対応に招集する時間帯もあり、夜を徹して対応に当たりました。まだまだ作業を継続しなければならない箇所も多数あり、国、県とも連携しながら復旧作業を進めてまいります。被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。
今回、改めて気候変動や線状降水帯の恐ろしさを実感したように思います。私自身も心のどこかで、線状降水帯が御所市に直接影響を与えることはないものだと思っていたのかもしれません。これから出水期が続き、台風のシーズンもやってきます。職員一同、心して対応してまいります。みなさまも自然災害から身を守る意識をさらに高めていただきますようお願いいたします。